2013年6月15日土曜日

アジア現地採用という"意味"


現地採用という言葉は、日本語にしかない。それは、日本という文化の文脈の中で生まれた言葉だからだ。海外にある日系企業を頼り、その現地で雇ってもらう。こういった社会背景の中から生まれた言葉だ。
その言葉通り英語に訳せば、local hireとか、local employeeとかになるだろう。
しかしながら、現地採用という言葉には、特に「アジア現地採用」には多くの言外の意味、含蓄(Connotation)がある。 

というのも、アジア現地採用とは発展途上国に日本より格段に低い給料で就職することを暗黙の了解としているのだ。
それが現地採用という言葉が持つ「言外の意味(Connotation)」である。 
アジア現地採用にマイナスのイメージが伴うのはこのためだ。

@mota2008さんの「もりぞう海外就職紀行」によれば、
アジアでのそれぞれの新卒の給与は、
タイ...                13~14万
ベトナム...        12~14万
インドネシア...12~16万(+住宅手当5万程度)
マレーシア...    13万
シンガポール...18~21万
香港...                15~25万

となっている。
シンガポールや香港においては、条件によっては新卒で20万を超える可能性もあるため、「所謂アジア現地採用」という含意の範疇からは少し外れるかもしれない。

一般的な感覚から言えば、こんな低い給料で働くなんてありえない。となるのだろう。無論、シンガポール香港以外では、現地人からしたら相当な給料になるわけだが...。

だからといって、ずっとこの給料のままではない。
アジアでも当然転職してキャリアアップという風潮があるため、
実力があればどんどん上に這い上がることは可能だろう。
タイベトナムなどで最初働いていても、経験を積んでシンガポール等に就職し、日本並の給与に戻ることは可能だ。もちろんヨーロッパ等の先進国で就職すれば日本以上の給与を得られることは言うまでもない。

僕は今の段階では3年~5年の間はタイで働き、次はシンガポールで働いてみたいと思っている。
つまり、この数年の間低い給与で満足できるか?という話である。

答えはイエスだ。給与に関して言えば、物価を考えれば十分な生活ができる。家賃は二万弱からあるし、屋台を使えば一食70円程度だ。貯金は十分にできると考える。
それに、お金のためにタイに行く訳ではない。海外で働きたいから、海外でキャリアを積みたいから行く訳である。
僕にとって、日本で働いていた期間はギャップイヤーだった。これからが自分のやりたいことをやる人生であって、日本で働いていた期間はいわゆる学生のギャップイヤーのような感覚だったのだ。
これからが本番である。

やりたいことをやって、お金を貰って、海外でのキャリアを積める。最高じゃないか。
時々、何故ヨーロッパではなく、アジアなのか?と聞かれることがある。それはアジアが好きだからという理由もあるが、やはり最大の理由はアジアが発展しているからである。21世紀はアジアの時代である。
 経済が落ち込んで来ている日本とは違い、アジアはバブルだ。日に日に成長している中で生活し、仕事をするというのは相当の充実感があるだろう。
要は考え方だ。まずはやってみなければ分からない。