2013年1月17日木曜日

日本人は本当に英語が話せないのか?


 タイで働き始めてから、既に1ヶ月経った。
 海外で働くとなると当然事実上世界共通語である英語を使用せざるを得ない訳であるが、
今回はその日本人の英語について書きたいと思う。

言うまでもなく、私の会社は日系と言えど英語が全社員の共通語であり、ミーティングに一人でも日本語及びタイ語を解せない人がいれば自然と英語で話すことになっている。

それは日本語及びタイ語を解せない人がいるからしょうがなく英語を使っているに過ぎない訳で、わざわざ日本人同士で英語を話すことを強制させるという非効率極まりない方針を打ち出す某大企業は馬鹿げていると声を大にして言いたい。
必要に迫られれば英語を話すだけの話である。
ホンダの伊東孝紳社長の言うとおり、「(中略)英語が必要なやりとりは英語でやる。時と場合によって使い分ければいい」のだ。(出典URL:http://www.sankeibiz.jp/business/news/100723/bsg1007231827005-n1.htm)


では、果たして私の会社にいる日本人は英語がペラペラなのか?
本当のことを言おう、答えはNOである。

はっきり言って、英語が流暢だなと思う日本人はゼロだ。
そして、タイ人もゼロである。

使っている語彙など中学生レベルで、それにプラス仕事上でよく使う専門用語が加わる程度である。
中学生の頃から大好きで英語をひたすら勉強している私が英語力ではダントツでトップと過信するほどのものである。
しかし、既に陳腐化されてしまった表現ではあるが、言語はツールである。
故に、現段階では私の会社への貢献度の低さもダントツトップである。

よく考えて見れば当たり前だ。
会社にとって重要なことは利益を上げることであり、英語を流暢に話すことではない。
重要なのは発音や文法ではなく、意思伝達することである。
何を考えているか、何をして欲しいのか、伝えることだ。
どうすればノルマを達成できるのか、どう顧客に売り込んでいくかを相談することである。

そう言ったシビアな世界で、英語の間違いなどクソ食らえなことは誰も指摘しない。


厳しい競争世界の中で、そんなどうでも良いことを気にする人間など誰もないのだ。

ここは英語のクラスではなく、生きるか死ぬかの戦場だから。

社長や部長でも、拙い発音、文法で必死に意思伝達を行う。
使っているツールは稚拙かも知れないが、内容はさすがエリートの発言である。

伝えなければいけないことがあるから、必死で伝えるのである。

それを馬鹿にする人間など誰もいない。
何故なら聞かなければいけない情報だから。


ここで提言しておきたい。日本人は英語が喋れると。 
中学校から高校まで最低でも6年間英語を学んだ日本人のインプット量は自らが思っているより
多い。
日本の受身の英語の授業にはない、アウトプットの練習をすれば、仕事で使えるほどの英語などすぐに身に付く。
人が話している拙い英語でも、「なるほど、こう言えばいいのか」という学びが多く、人が人の真似をして最低限の英語が身に付くのである。


もう一つ私の会社の人間が英語を喋れる理由は、社員一人として英語コンプレックスを持っていないことだ。それは、
「は?英語とか間違って当たり前じゃん」
という暗黙の雰囲気があるからだ。


日本人の英語も酷いが、タイ人の英語も酷い。
もうみんな酷い。とにかく酷すぎる。
でも、間違えるのが当たり前なのだ。意味が分からなかったら聞き直せばいい。
大体ここはタイだし、タイ語喋れない方が肩身が狭い。
むしろ、ネイティブの様な英語を喋ると「えっなにコイツ」と思われてしまう様な節もあるぐらいである。

まとめに入りたいと思う。
日本人は英語が喋れる。世界有数の教育を受けている日本人が必要なのはアウトプットと、英語コンプレックスの払拭である。

英語はアジアの言語でなく、欧米の言葉である。攻撃的で、断定的で、高圧的だ。

そういった雰囲気はアジアには合わない。特に日本やタイの様な国では。
つまり、
英語とかもう世界共通語だし俺ららしく喋ればいいじゃん? 
 ということなのだ。

だから日本人よ、君は英語が喋れる。
「これがしたい」は英語でなんという?
「これをしてほしい」はなんという?
「これが重要です」、「明日お客さんと会う」、「3時にミーティングしましょう」
など、日本人なら誰だって文法や発音を気にしなければ喋れるじゃないか。    
分からなくても人の拙い英語を聞いていれば言い回しは覚えるのだ。
日本のサラリーマンが英語を喋れば、「こいつこんな知識を持っていたのか」と世界は驚くだろう。
英語が喋れる日本人は最強で最高だ!