2013年1月29日火曜日

僕が英語に関して思うこと

英語という言語は、日本人や日本にとって特別な意味を持っていると思う。近年最も忌み嫌われ、最も議論され、最も注目されているカテゴリーの一つかも知れない。
英語という言語が好きで一生懸命勉強してきた自分にとっては、思うことは多々ある。だから、どうしたら英語ができるようになるのか?という事柄について、少し綴っておきたいと思う。

1.はじめに
僕は決して人様に比べて圧倒的な英語力を誇っている訳ではないけれど、少なくともこの中高大では英語ができると言われてきたし、今はバンコクで毎日英語を使って仕事をしている。今まで英語が苦手な人には多くのアドバイスをしてきたし、それは間違っていないと信じている。
でも勿論、僕のアドバイスが全てではない。僕のアドバイスは貴方の英語学習の為のヒントに過ぎないのであって、直接的な解決にはならない。
野球がうまくなりたいからと言って、全員がイチローのバッティングフォームを真似すれば良いという話ではない。イチローのバッティングを見て、イチローが持っている『コア部分』を盗み、それをヒントにするのだ。
そんな感じで、各自がキャリアを積んでいく中で『自分のフォーム』を造り上げていく。
だって、考えてもみて欲しい。野球素人の無知な暴言であることを承知して言うのだが、日ハムの中田翔のバッティングフォーム、ありゃなんだ?
正解はない。人それぞれなのだ。

2.どうすれば英語は上達するのか
「どうすれば英語が上達するのか」という質問は、何回も受けてきたし、何回もした。大体、僕自身がどうすれば新渡戸稲造の様な英語力を付けることができるのか知りたい。そんな未熟な自分でも、今までの個人的な経験から、英語が上達したいけれどどうすればいいのかわからないという人の為に、いくつかのコツを紹介してみたい。

2-1.語学学習に王道なし
一つ、語学学習に王道はないと肝に銘じておくことだ。2週間で英語がペラペラになるような事は決してないし、そういった宣伝文句に騙されてはいけない。しかし、人は何故そういった扇情的な文句に惹かれてしまうのだろうか。それは、「時間も労力も少なくて済みそうだから」である。しかし、語学学習はその真逆である。語学学習とは茨の道である。語学学習とは体育会系の頂点であり、臥薪嘗胆の思いで励まなければならない。語学学習とは筋肉トレーニングのようなものであり、短時間でその目的を達成することはできず、辛い思いもするものだ。2週間でボディビルダーのような筋肉を得ることはまずできない。それと同じことである。だから、毎日英語のトレーニングを一定期間せずして、英語が難しいなどと口走ってはいけない。かと言って、一日5時間勉強して成果が出ないからと言って、英語が上達しないと嘆いてはいけない。語学学習において、自分の語学力 の向上を実感するのは難しい、それは緩やかな坂道の様に伸びていくためである。しんしんと積もる雪の様に伸びていくためである。しかしある地点で振り返る と、意外と自分は登ってきていることに気づき、自分の背丈よりも高く積もっていることがわかる。人は誰も山を登りだして5分から「頂上はまだか」という人 はない。一歩一歩地道に歩いて、気づくと中腹まで来ていて、気づくと山頂の一歩手前までいるものなのだ。重要なのは、歩くのを辞めないことである。ちなみ に、語学の頂上はない。英語が喋られるようになりたいからと言って、容易に語学留学をするのは、自らの弱い意志の現れである!
日本においては、「英語圏に語学留学すれば英語が喋れる」という話がまかり通っている節がある。何故そう思うのだろうか?確かに英語圏に語学留学にすれば、英語と接する機会が増える。人々が話す言語や、メディア、文書、お店の看板も、何もかも英語である。だから、「勉強しなくても」自然と英語が喋られるようになるという計算のようである。しかし、はっきり言って、現地に行ったからと言って英語が喋られるようになるわけではないし、しないからと言って英語が喋ることができないということは決してない。意欲的で、モチベーションが高い人が現地で勉強することが最大の効果を得る事ができるのだけの話なのだ。どこに居ようとも、例えば知らない単語を調べる、聞くという行為は、結局自らの意思にかかっているのであって、英語圏にいれば勝手に知らない単語の意味が分かるようになるという事はない。語学学習は、受身では向上が見込めない。日本にいる外国人が驚くべきスピードで日本語を覚えていくのは、彼(女)らの語学に対する態度が恐ろしいほど能動的だからだ。能動である事が能力向上に繋がるし、留学の効果もそれで最大限に発揮される。インターネットが発達した今、英語を学ぶ動機、機会、教材はありふれている。使い用によっては、留学以上の英語力の向上が期待できるのだ。
ただ、とは言っても、英語圏への留学経験は何にも代えがたいものである。現地に行かなかった人には決して得ることのできないものがある。それは英語圏における異文化体験であり、知見の深化である。そしてこれは、英語を喋るよりもしくは同等の価値があり、これからの英語もしくは異文化、英語圏文化学習への動機付けになることは間違いない。これだけは、日本に居るだけでは得られないものだ。


2-2.英語を楽しむ
もちろん英語学習は辛いことばかりではない。文法と語彙の学習で終わる英語学習なんて、退屈極まりないし、ただの拷問である。英語はことばだ。楽しまなければ、死んでしまう。
例えば、下の文章を読んでみてほしい。これは、Urban Dictionaryというサイトからの引用である。このサイトはネットユーザーが単語の定義を自由に書き込むことができるサイトで、非常にユーモラスな定義がたくさんある。
boobs
1. The softest, squishiest, warmest, most perfect thing imaginable. And guess what? They come in pairs :)
2. The cause of all of life's problems.
3. The solution to all of life's problems.
1. She led my hand to her boob, and I had a new best friend; soon I had a new second-best friend.
2. She flashed her boobs and caused that car crash.
3. ...but once I touched her boob, I forgot all about her face.
suicide wank
1.When your having a wank, just before blow the load, shout out "Mom" or "Dad", then try and finish the job before they get into your room!
a friend tried a suicide wank and won!!! he did it and failed the second time!!
それほど難しい単語は使われていないので、是非辞書を引きながら読んでみてほしい。ちなみに下ネタだ。
またThe Onionというアメリカ版虚構新聞
からも引用したい。このサイトは一見ニュースサイトのようであるが、すべての記事がデタラメである。


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Bodybuilder Can’t Believe He Forgot To Develop Right Arm
見出しはつまり『ボディービルダーが右の腕をトレーニングするのを忘れた』と言っているのだ。
このように英語はそんなSVOとかSVCとかそんな狭い世界では生きていない。
生きている英語に触れると、言葉に対する親近感が沸く。
英語上達には、英語という言語そのものやその背景にある文化を楽しもうとするのが良いかもしれない。英語圏の映画やドラマに興味を持つとか、ネット上で英語でしか発信されていないiPhoneの最新情報や、自分の専門分野の論文が読みたいとか、日本について英語で書かれているサイトが読みたいというのもそういったことでいいのだ。

3.ネイティブ信仰をやめろ
英語学習の際には、ネイティブ並みになることを目標としないことだ。何故なら不可能に近いから。ネイティブの発音だって真似しなくても良い。そもそも世界中で公用語として使用され、無数の方言、アクセントがある中、正しい英語の発音という定義がそもそもおかしいのだ。以下のリンクを見ていただきたい。いわゆるスコットランド人が喋るスコティッシュアクセントと呼ばれるものだが、はっきり言ってこの発音ならジャパニーズアクセントも悪くないと思えてくるのではないだろうか?


更に、英語は有史以来初めて事実上の世界共通語となりつつなる言語である。 アメリカやイギリスだけの言語ではない。世界で最も英語を話す民族は中国人である。 シンガポール人は英語を自らの文化に吸収し、シングリッシュと呼ばれる方言を確立した。 インドも同様である。 こうなってしまえば、世界共通語である英語に対して正しさを求めること自体がおかしな話なのであって、リラックスして英語に挑めばいいのだ。アメリカ人の様に舌を不自然なほど丸めてRを発音する必要はない。日本人は日本人らしくサンキュー!とか、エクスキューズミー!とか言えばいいのだ。 私は今バンコクにある日系企業で働いているが、日本人タイ人含め英語はめちゃくちゃである。でも必死に英語を使ってコミュニケーションを図っているし、それで会社が成り立っている。 なぜここまで怖気ずに話せるのか? それは、我々が英語をアメリカの言葉ではなく、社内の共通語として認識しているからである。 意思伝達のために英語を使っていて、発音や文法などくそったれであるからだ。 英語くそったれ。ネイティブくそったれである。

 4.軽いまとめ 
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多くの人が、今自分のやっていることは意味があるのか?とか、これよりももっとやるべきことがあるとか考えているかもしれない。でも、語学学習には無駄なものは何もなくて、すべて必要なものだから、長い目でやらなければならない。すぐ結果を求めても、到底無理な話なのだ。 僕は語学力は以下のようにして伸びると思っている。 つまり、最初はいくら勉強してもなかなか伸びないのだ。でも、我慢して勉強を続けていると、突然爆発的に英語力が伸びるときがある。その後一度スランプに入り、また爆発的に英語力が伸びるのだ。 『最初はいくら勉強してもなかなか伸びない』理由は、このようにして説明することができるかもしれない。 つまり、自分のレベルが1では、スライムf:id:Kamppi:20110824191008j:image:mediumしか倒すことができず、よって経験値もせいぜい5ぐらいである。しかし、自分のレベルが70ぐらいになると、キングスライムを倒すことができるようになり、経験値は1000を超える。自分がレベル1の200倍の経験値を一瞬にして得ることができるのだ。これが、『爆発的に伸びる英語力』である。f:id:Kamppi:20090925104041j:image:medium初級者が英語を勉強して得られる成果と、上級者が得られる成果は何千倍という単位で違うのだ。 一心不乱に綴ってきたが、ひとまず言いたいことはこれぐらいだ。 繰り返すが、これらのアドバイスは絶対的なものではない。ヒントである。
自らの英語学習や語学学習のヒントになれば、幸いだ。