2015年3月19日木曜日

英語発音講座その3 「θ ð」と「s z」

●「θ ð」と「s z」

ここでは「θ ð」と「s z」を同時に紹介します。「θ ð」のθは所謂THの発音で、昔英語教師に
「舌を噛む」
と教わったアレです。
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●「θ」
まずはTH(θ)の発音をやってみましょう。
まずはSの発音を長く引き伸ばして発音してみてください。

S~~~~~~~~~~~~

この後舌をそっと上と下の歯の隙間に近づけてください。
呼気で自然と舌が上と舌の歯に引き寄せられるまでそっと近づけてください。
引き寄せられている最中に出ている音、それがθです。

S~~~~~~θ~~~~~~

まあ、舌を噛んでもいいんですけど、そんな不自然に発音する人は残念ながらいません。


練習すれば、以下の単語の区別なんて簡単です。

Sing, Sigh, Mass
Thing, Thigh, Math


●「ð
これはTHの有気音版です。This is a pen.のThisのディスの音ですね。
これはθの音をマスターした人なら簡単です。
θを長く発音したあとに声を加える練習をすれば簡単に発音できるようになります。

θ~~~~~~ð~~~~~~θ~~~~~~ð~~~~


●「s z」
さて、Zは実は日本人にとって難しい発音です。
何故なら日本語ではZとDZの音を区別しないから。。。

少し日本語について勉強しましょう。

膳所という言葉があります。これはゼゼと読むのですが、最初のゼと二つ目のゼは別の音です。普通この単語は[dzeze]と発音します。ゆっくり発音すれば[dzedze]ですが。。
でも別に[zeze]と発音しても通じるでしょう。

日本語ではdzeとzeの発音に意味の区別はないのです。だから発音しているにもかかわらずその違いに気づかない&気付く必要がない。

でも英語では思いっきり分けて発音します。

[z]は、[s]を長く発音して声を加えれば発音できます。

[dz]は、[ts]長く発音して声を加えれば発音できます。

ということで、[s~~~~z~~~~~]と[ts、ds]を100万回練習してください。



参考発音
Breeze, Breeds, Breathe





英語発音講座その2 「FとV」

●FとV

日本語にはないFとVの音。なかなかな曲者だ。

これを完璧に発音するためには、まず日本語を理解しないといけない。
何故なら、日本語の発音というのは非常に癖のあるもので、まずその癖を理解しないと
その癖のまま英語の発音をしてしまうから。。

●Fの発音

Fの発音と聞けば猿の様に「下唇を噛む」と訳の分からない意味不明なことを言う人間がいるが、そういうのは一度忘れ去って欲しい。心をまっさらにした状態で聞いてほしい。

まず、敵を知るためにはまず自らを知る必要がある。
最初に日本語のフの音の子音について解説していくよ。

ウッフッフッフッフ



って発音してみて。
上下の唇の間の隙間から息が勢い良く漏れていくのがわかる。
この狭いところで気流が乱れてノイズが生じるわけだ。
これを摩擦音と言いますが、日本語のフは摩擦音で、世界でも稀な子音なんです。
福岡はローマ字でFukuokaと綴られますが、Hukuokaでない理由は日本語のHuという
発音が他の言葉に存在しないからです。。

つまり、日本語のフの発音でFを発音してはだめ。

英語のFは歯と唇が接触しているところの間を呼気が通過するときに発生する音。

下唇を噛んで発音するというのは、Fの発音の条件を満たす一つの方法にすぎない。
下の前歯と上唇でもいいが、その発声方法はあまりにも不自然なので誰もやらない。
もっと言えば前歯じゃなくてもいい。上の犬歯と下唇でも良いし、
要は歯と唇のコンビネーションから発生される音なのだ。

その中で一番やりやすい方法が、下唇の内側に上の前歯を軽く触れさせる方法。
間違っても下唇を噛むな!いや、別に噛んでもいいけど、
それ発音しにくくない?不自然じゃない?

上の前歯と下唇が軽く触れた状態息を漏らす。これがF。

●Vの発音

FができたらVは簡単です。まずFを息の続く限り発音してみてください。

F~~~~~~~~~~~


この次は途中から声を出してみてください。

F~~~~~~~V~~~~~~


すると、Fの音がVになります。

何度もできるように練習してください。ゆっくり眺めに発音してね。

最後に発音練習
Fire, First, Fast
Victory, Vietnam



まあ、FとVの発音ができたからと言って上の単語が発音できるようにはならないんだけどね。。

2015年3月18日水曜日

英語発音講座その1 「LとR」

1. LとR

英語の発音の話になると必ず誰かが語りだすLとRの発音。LとRが英語の発音の99%を占めているかのようなドヤ顔で、鬼の首を取ったかのようにLとRについて語りだす人は必ずいる。
そして特にR。

この手の人間は大体Girl等を「グァァァルルッルルルルル」などと必要以上にアメリカ英語風に発音し。「どうだい、僕の発音は。決まってるだろう?」という風を吹かせるのだ。

*参考ドヤ発音

どうだろうか。参考ドヤ発音はまさに「我覇者なり」という心の叫びがひしひしと伝わってくる。
もういい加減にしてほしい。日本全国で行われている茶番はこの記事を最後に終わりにしたい。
LとRの発音について、切実に正しい知識を伝えたい。

まず、LとR、どちらが日本人にとって難しい発音だと思うだろうか?
答えはLだ。
何故だかよくわからないが、日本人はLよりもRが難しいと思っている様で、更にRの発音ができると「カコイイ!」とまで思っている。これは恐らくアメリカ英語におけるRの発音が日本語の発音からは程遠いものだから、何かこう異国情緒というものを感じてしまうのだろう。

じゃあ、まずLからいこう。

2. Lの発音

「舌が上の歯の裏に触るのがL」

と英語のできない中高の英語教師には教わったかもしれない。確かにそれは正しい。だが、その舌が歯の裏に触っている時間というのはかなり長い。もしあなたがLを発音する際に、歯の裏に触るのが一瞬だったら、それは実はRの発音の一種である。ごめんなさい。
この発音はたたき音と呼ばれるもので、

あげ かんとう


などの発音時の様に、一瞬舌先が上の歯の裏をたたく様にして発音されるものだ。

3. Lの発音の仕方

歯をむき出しにして、少し上下の歯の間を開けて、上の前歯の後ろに舌先をベタっとつける。
その状態で口で呼吸してみてください。ほっぺたの内側に風を感じると思うが、
その状態で息を吐いてる時に声を出してみてください。それがLです。

それでは、少し発音してみましょう。

La Li Lu Le Lo


4. Lという子音の「自由度は高い」

La Li Lu Le Loを発音してみればお分かりになると思いますが、Lの発音というのは唇の形や、開口度に様々なバリエーションがある。つまり、多くのLの発音においてLはその隣の母音とほぼ同じ唇の形と開口度を伴って発音される。従い、Lの次に母音が来ない場合は常に「お」とか「う」と同じような発音になるんです。これは英語の変な癖です。ちょっと言ってみましょう。
Pal, Pill, Pull, Spell, Pole



最後のLは上の歯の裏についていません。これは英語では「暗いL」とか言われたりします。
Lにはこの他にも色々な曖昧なLがありますが、気を付けなければいけないのはこの暗いLで、あとは普通のLの発音をしとけば大概OKです。

5. Rの発音

おまちかねのRです。そんなにRが好きですか?

Lで学んだ様に、Rにも色々発音があるんです。ごめんね。
まず基本的なRの発音の仕方はこうだ。

まずはDaと言ってください。それから少しずつ舌を反りかえしていき、
舌を少し話したところで発音してみてください。それがRです。
更に唇をちょっと丸めて出してみてください。もっとRです。



それではLとRのまとめの練習をしてみましょう。
Right, Row, Pray
Light, Low, Play


大体これでLとRの発音の基本中の基本はOKです。
RはFirstとかFartなど語中に出てくることでまた発音の仕方が少し変わるんです。
それは別の講座で説明することにしましょう。
先はまだまだ長いです。





参考文献:「脱・日本語なまり」 神山孝夫